毎年、梅雨の時期になると、「そうだ!折り紙をしよう」というタイミングが来るのですが、今年は梅雨が短かったせいか、そんな気にならないまま通り過ぎてしまいました。
そこで、すっかり「夏」真っ盛りなのですが、コロナの感染拡大もありますし、猛暑による熱中症の心配もありますので、敢えて「家で折り紙をしませんか?」という提案を致します。
夏期講習会の時期、移動時間や待ち時間に、静かにお膝の上で遊べるアイテムとしても便利ですよね。
そして、この折り紙は、ただのお遊びではない「知育教材として素晴らしい効果」がありますので、幼児期になんとしても活用して頂きたいと思います。
今回は、
「リーズナブルなのに圧倒的な知育教材! 折り紙はお母様の必需品」
と題して
*折り紙を折ることで得られる子どもへの効果
そして
*お母様が得られるメリットについて
お話いたします。
日本人なら、「折り紙をやったことがない」という人はいないと思います。(・・・たぶん)
外国の方から「日本人は器用だ」と言われるのは、幼い頃から折り紙やあやとりなどの伝承遊びをしているからに違いありません。
日本の折り紙は子どもの遊びに留まらず、「芸術」として日本の文化「Origami」としても有名です。
この手先を使った緻密な作業や、次の形を想像して作ること、折り方を覚えるということは、脳を活性化し、子どものみならず、今や高齢者の認知症予防としても使われています。
では、まず子どもが折り紙を折ることで得られる5つの効果をお話します。
1.巧緻性のトレーニングになり、運動神経や脳の発達に好影響を及ぼす
2.思考力・想像力が育まれる
3.空間認識能力を高め、色彩感覚を養う
4.忍耐力・集中力が身につき、おまけに記憶力アップにつながる
5.コミュニケーションツールになる
「巧緻性のトレーニングになり、運動神経や脳の発達に好影響を及ぼす」
まず、「角と角」「辺と辺」を合わせる、角と辺を重ねることは、親指と人差し指を使うことが必要になります。紙を持つ力加減を調節すると同時に、他の指も微妙にバランスを取るように力が入ります。折り紙は、両方の手を使わなければならないことがポイントで、どのように紙を折るかを考えながら、10本の指を様々な方向へ動かすことが必要になります。指先は末梢神経が集中している部位なので、そこに刺激を加えることは、脳に刺激を与えていることになり、脳の動きを活発にしてくれます。
「思考力・想像力が育まれる」
折り紙は、最初は園の先生やお母様に教えてもらいながら、手順に沿って折ることから始めますね。折ることに慣れてくると、実際に折る前に、次の形を思い浮かべることができるようになってきます。自由に折り紙を折って、「このように折ったら、こうなる」「こうしてみたら、こんな風になった」という発見ができるのも、折り紙の良さだと思います。
自分で折り紙の本を読みながら、作品が作れるようになってくると、平面の図から立体的な形を考えて、教本通りの形にする工夫をしますので、更に思考力が育まれます。
また、紙を折って何かを作りだすことが、想像力や主体性の向上に繋がります。
2歳児では、始めは三角を折るくらいしかできないのですが、夢中になって大量の三角を折ってくれます。
「何を作ったの?」と聞くと「お山」と答えます。「これは?」「茶色いお山」(因みにさっきのは、緑です)、その後、「赤いお山」や「青いお山」が出来上がり、あっという間に、机の上はお山だらけです(笑)。でも、そのお子さんにとって、本当にお山であり、楽しい気分+達成感もあるのです。
大人が失くしてしまった羨ましいほどの想像力です。型にはめずに、自由な創作折り紙をするのもお勧めです。
「空間認識能力を高め、色彩感覚を養う」
折り紙を折ることで、物体の距離感や奥行きを捉える力が鍛えられます。
初めて折り紙をする子どもに三角を折る見本をみせて、「やってみましょう」と促すと、半分にするだけで、どこを合わせようとする気もありません。でも、教える時に「お山のてっぺんにくっつくかな?」と言いながら、わざとずらしたり、行き過ぎたりする様子をみせ、「やっと成功した!」という見本を示すと、角と角がぴったり合うまで、自分で位置を調節するようになります。ここで、距離感や奥行きを鍛えていると考えられます。慣れてくると自ら、裏返してズレがないかまで確かめるようになります。
また、折り紙の色彩は種類が豊富なので、作りたいものに合わせた色を使ったり、色と色の組み合わせを楽しみながら、視覚から色による感覚の違いを覚えていくことになります。
「忍耐力・集中力が身につき、おまけに記憶力アップにつながる」
折り紙は集中しており続けることにより、完成させることができます。途中で上手くいかないと、嫌になって投げ出してしまう時もありますが、お母様やお友達が上手に折るのを見ると、もう一度トライしてみようとする気持ちが湧いてきます。
1つひとつのプロセスを丁寧にすることで、きれいに仕上がることがわかってくると、忍耐力もつきます。
また、手元を一点集中で見ることになるので、集中力もつきます。
そして、何度も折るうちに、本を読まなくても一人で折れるようになります。いいえ、「一人で折れるようになりたくて、何度も練習する」の方が正しいですね。とにかく、自然と記憶力がアップします。
「コミュニケーションツールである」
私は折り紙の折り方を、母から教わりました。また、年上の従姉から教えてもらった作品も数々あります。
幼児教室で、折り紙の作品を誰に教わったのか聞いてみると、おばあ様に教えて頂いたり、お友達に教わったという答えが多いです。折り紙を通して、人間関係ができていることが伺えます。
以前、2枚の折り紙を使った複雑な独楽の折り紙を作ってくれたお子さんがいました。「どこで覚えたの?」と聞きましたら、保育園とお年寄りとのイベントで、おばあ様に頂いた折り紙を、自分で解体し、折り方を見出したとのことでした。これにはびっくりしました。そして、お年寄りとの関係があったことがきっかけで、そんな機会に恵まれたこと(そのような能力が引き出されたこと)が、素敵だなと思い印象に残っています。
今後、国際化が進む中、日本の子ども達が外国人のお友達に折り紙を教えることで、コミュニケーションを取っている姿を想像すると、ちょっと誇らしい気持ちになります。そんな風にOrigamiが浸透したら良いですよね。
さて、次はお母様が得られるメリットです。
1.リーズナブルである
2.持ち運びがしやすく、片付けやすい
3.一緒に遊ぶも良し、勝手に遊ばせるも良し
「リーズナブルである」
スーパーや100円ショップでも購入でき、種類が豊富、100枚位入っている、というとても家計に優しいアイテムです。
「持ち運びがしやすく、片付けやすい」
子どもの鞄にも入り、軽いですし、かさばりませんので、どこに行く時も持って行き、静かに遊ばせることができます。また、片付けるスペースを取りませんので、折り紙用の引き出しや、ケース1つ用意すれば、散らかることもありません。
「一緒に遊ぶも良し、勝手に遊ばせるも良し」
日本の文化を継承する目的や、巧緻性や知育の教材として、一緒に遊びながら学ばせることができます。親子で楽しむひと時にもお勧めです。
また、自由に作品を折らせる他、丸める、ちぎる等の使い方もできますので、子ども達の創作意欲を高めることができます。5.6歳になれば、子ども向けの折り紙の本を購入するのも良いです。折り紙が好きなお子様は、1人で折りたいという欲求が強く、勝手に挑戦し、完成させることによって達成感を味わっていますので、援助を求められた時だけ手を差し伸べれば良いのです。
おまけとして
折り紙は、大人にとってもストレス解消に使えるそうですよ!折り紙の本を読み解くのは、なかなか難しいので、お子様そっちのけで、夢中になれるからかも知れません。
是非、レパートリーを増やして、お子様に「お母様、すごーい!」と褒められてください。