3月22日に配信しました『正しく道具を使おう』の続きです。
前回は、子ども達が使う道具の名称を正しく知っているかどうかのお話をしました。きちんと名称を知っていると、大人との会話がスムーズになりますので、ちょっと精神年齢の高いお子さんに思われます。正しい名称と用途が言えるようにしておきましょう。
さて、今回は「正しい使い方」を知っているでしょうか?というお話をしたいと存じます。
更に、「手際よく使う」ことができているか?です。
例えば、「箒と塵取り」を使わせたことがあるご家庭は多いでしょう。子ども達からも「お手伝いで、毎日、玄関のお掃除をしています!」と得意げに声が上がります。でも、実際に使わせてみると、「えーっ、いつもそうやってるの?」と聞かなければならない状況になります(笑)
たぶん、一番初めは、お母様が使っているのを見て、「私(ぼく)もやりたい!」と言った所から始まったのだと考えられます。それはとても良いことで、「その時」「そのタイミング」を逃さずに、デビューさせたことが、実はお子さんにとって相応しい時期であり、楽しく学べる旬の課題だったのです。
ただ、そこですぐに渡してしまっては、ダメなんですね。丁寧に使い方を伝え、教えることが必要なのです。何事も「はじめが肝心」、最初に正しいことを教えてしまうことが大切です。なぜなら、間違ったやり方をさせてしまうと、後で直すのが困難になるからです。
「ホウキとチリトリ」の使い方で説明しますと、ほとんどのお子さんがホウキでゴミをチリトリに集めながら移動します。途中でチリトリからゴミが落ちますし、自分の通った場所しかきれいにならず、更にホウキの動かし方が下手なので、ゴミを集めているのか散らかしているのかわからない状態になり、とても時間が掛かります。
正しいやり方は、チリトリは始めは使わずに置いておき、ホウキだけで一か所にゴミを集めることです。それからチリトリの出番です。チリトリは少しずつ後ろに下げながら、細かいゴミを残さずに、ホウキで掃いて集めます。
そのような動作を見せ、使い方を教えると、
「この方が上手にできるね!」と
子ども達も納得しますが、数か月後に同じ課題をさせてみると、又、もとに戻ってしまっています。
それ位、やっぱり「はじめが肝心」なのですね。
お子様に、道具を使わせる時は、まずお母様もいつも使っている使い方が本当に正しいのかを調べることをお勧めします。意外と正しいと思っていた使い方が間違っていること、私もまだまだありますので、慎重にしています。
あと、もう一点気を付けて頂きたいことがあります。
それは「本物を使わせる」ということです。
危ないからという理由で、子ども用を使うのはやめましょう。危険な要素があっても、それを使うことには、きちんとした理由があります。おままごとではなく、リアルな道具を使うことに利点があるからです。
例えば、落としても割れない子ども用の食器を使っていませんか?
危険は回避されますが、「落とさないように注意する」「割れた時にどうするか?」という学びは、そこには生まれません。
私立の小学校給食で、瀬戸物の食器を使っている学校が多いことからも、そういった小さなことが大事であることがわかります。
是非、本物に囲まれた環境を用意し、お子様の生活力を高めていきましょう。