今回は「道具」のお話です。
小学校受験のお試験では、様々な道具を使います。
お制作の課題で、鋏、糊、セロハンテープ、穴あけパンチ、ホチキス、各種筆記用具、などがありますし、行動観察では、箒と塵取り、雑巾などの掃除用具や、箸、食器、お玉、鍋などの台所用品を使う課題が頻繁に出されています。
こういった道具は、本来、受験対策の為に使い始めるのではなく、日常生活に必要なアイテムとして使い慣れていることが望ましいですね。ですから、お勉強の時間にわざわざ出してくるのではなく、常にお子様が触れられる場所、目に入る場所に置いてあり、いつでも使える状態にしておくことが大事です。
もちろん、危険を伴うものは、大人と一緒に使うルールを決めて、しっかりと守らせるようにしましょう。
さて、ここからが本題です。
先ず、道具の正しい「名称」を知っているでしょうか?
子ども達と連想ゲームをした時に、答えが頭に浮かんでいるのにも関わらず「名称」がわからなくて答えられないお子さんが、とても多いです。また、「名称」を間違って覚えていることも少なくありません。
例えば、「お玉と泡立て器」「茶碗とお椀」「ホチキスと穴あけパンチ」は、どちらがどちらの名称かが、わからなくなってしまうようです。いつも使っていて、用途もわかっているのですが、いちいち「名称」を確かめていないので、忘れてしまうのでしょう。私もつい「これ」とか「あれ」とかで済ませてしまうことがあるので、気を付けるようにしています。
周りの大人が「ホチキスで留める」「お玉で掬う」「ご飯をよそうのでお茶碗を持ってきて」など、意識的に正しい名称を言って、子ども達の耳に入れて行くことが必要です。
また、勝手な思い込みも多いです。お魚をのせる長四角のお皿を見せて「これは何ですか?」と聞いた時、とっさに答えられないお子さんは、意外と多いのですよ。お皿は丸いという認識が強いのだなと思います。様々な形があることを、これも、日常で意図的に使いながら教えていくのが良いですね。
大人が「当然、わかっている」と思っていることが、わかっていなかった、または抜けてしまっているのが幼児です。そこのところを忘れずに、時々、確かめて下さい。
必ず、使う時に「名称を言いながら使う!」がポイントです。
次回は、正しく道具が使えているかどうか?のお話を致します。