先日、本屋さんの児童書のコーナーをみていたら、気になる絵本を見つけました。
【ガストンのきぶんをととのえるえほん】です。シリーズ8巻と塗り絵がありました。
どんな本かと言えば
「ユニコーンの子ども『ガストン』が、ネガティブな気分(怒り・悲しみ・恐怖・やきもち・恥ずかしい・・・等)を、前向きに変える呼吸法を学んでいく」という本です。著者は「オーレリー・シアン・シーヌ」さん、フランスの乳幼児セラピストです。
ペラペラとめくってみましたら、子どもには理解しにくい感情を「今日はどんな気分?」と、お天気「虹、晴れ、曇り、雨雲、雷雲・・・」で表して可視化していることがわかりました。
そして『この雲が通り過ぎるのを待つよりも、息の仕方で追い出すのはどう?』と提案して、ガストンと一緒に深い呼吸をすることを教えています。
私が「気になる絵本」だと感じたのは、読んだ瞬間に「これって誰に読ませたい本なのかなぁ」と思ったからです。そんな風に思いつつ、裏表紙をみたら「対象年齢3歳~」と書いてありました。「えっ 3歳!」これには驚くというよりも、ショックの方が大きかったです。フランスの子ども達が置かれている事情は存じませんが、日本でも、絵本ナビで紹介される「お勧めの本」になっているらしいのです。3歳・・・・・。
呼吸法は確かに気持ちを落ち着かせるのに、とても良い方法です。呼吸瞑想を実践されている大人も多いですよね。そうなのです。大人は、社会の荒波に揉まれて、様々なストレスが掛かっているので、それを軽減する方法として「深い呼吸」が必要なのです。
でもね、子どもがそれをしなければならないほど、日本は、子ども達を取り巻く環境が悪い状況になっているということですよね。なんだか、とても残念になり、悲しい本だなぁと思いました。(本を批判しているのではありませんので、誤解のないようにお願いいたします)
実は最近、小学校受験のお教室の先生のお言葉に、大きなダメージを受け、親子で深く落ち込んでしまっている例が何件かあります。
また、保育園でのベテランの先生方との会話からも、心にトラブルを抱えた子どもが、急激に増えていることがわかり、胸が苦しくなりました。
子どもは、周りの環境や外からの刺激によって傷ついていても、それを認知するための経験がなかったり、心の状態を言語化することができなかったりしています。
なので、ショックを受けたことが「体の反応」「行動の変化」として、体調不良、発熱や腹痛、夜泣き、赤ちゃん返り、癇癪、後追い・・・等、様々な形で現れます。もっと進むと、周りにご迷惑を掛けてしまう「問題行動」となって、更にイライラだけを表現します。
ですから「なんだか、ちょっと様子がおかしいな?」と思ったら、病気の他にも、何か思い当たることがないか?最近ショックを受けていたことはないか?を、考えて欲しいと思います。
誰よりも早く気付くのは、ご家族であり、誰よりも早く気付いてあげられるのは、お母様です。なので、普段からお子様をよく観察して下さいね。
そして、傷ついた心をケアするには、3つの方法が良いとされています。
*スキンシップをとる・・・大人になっても、誰かにギューッと抱きしめられると安心しますね。もし、様子がおかしいなと思ったら、スキンシップを多くしてみましょう。
*生活リズムを整える・・・1週間のスケジュールがびっしりで、日によって起きる時間や寝る時間、お食事の時間やお風呂の時間が、バラバラになっていませんか?その場合は、とにかく日常のリズムが同じになるようにしましょう。生活習慣がルーティンになると、子どもは安心して過ごすことができ、心も落ち着きます。
*全身運動をする・・・両手両足を大きく動かす全身運動は、心の回復に最も効果的です。本来、子どもは遊ぶことで学び、遊ぶことで工夫をし、遊ぶことでストレスを発散します。そして、たくさん動くことが良い睡眠につながります。
春は、大人でも気分にムラがある時期ですよね。そんな気持ちを落ち着けるのは、お子様を抱きしめること!が一番効果的です。