去年の12月に『行事を経験させましょう』という記事を出しました。それに因んで、今年はできる限り「子ども達の身近にある行事」について触れていこうと思います。
さて、今日から2月
2月と言えば「節分」ですね。幼稚園や保育園でも、節分のお話の読み聞かせや、「豆まき」の歌を教えたり鬼のお面を作るなどの準備がされていますので、子ども達も「何やらそろそろ、鬼がやって来るらしいぞ」と勘づいています。
「鬼」については、昔話の中に「鬼」が出てくるおがたくさんありますので、子ども達は「見たことはないけれど、大きくて力持ちで恐くて悪い人」との認識があります。(例外的に、泣いた赤鬼のように優しい鬼のお話もありますけど)そして、歌や豆まきの掛け声通り「鬼は外」であり、追っ払わなければいけない邪悪な者と知っています。
では、「どうして節分に鬼を退治するのでしょうか?」
また「本当の鬼は、どこにいるのでしょうか?」
今回は、私が授業で子ども達にお話していることを、お伝えしようと思います。
先ず「どうして節分に鬼を退治するのでしょうか?」について
そもそも「節分」とは、何でしょう?という話になりますね。「節分」は、文字をみてわかる通り「季節を分ける」という意味です。なので、本当は1年に4回(春夏秋冬)の節分があります。中でも、1年の始まりである「春(春分の日)」の前日に、邪気払いをし、良い1年を迎えられるように・・・と力を入れた「節分」が2月3日(年によっては2日や4日の時もあり)です。言ってみれば、「大晦日」のようなものですね。
子ども達は、「節分」が4回あることを知ると、とても驚きます。また「節分」=「季節を分ける」と教えると「なんのこっちゃ?」という顔をしますが、家族や幼稚園の先生に、得意げに教えるお子さんもいますよ。
意味はわからずとも、「最初に本当のことを教えるのが、大事なこと!」と私は考えています。今は理解できなくても、いつか「その話、どこかで聞いたことあるな」と思い出す時があれば、それで十分です。
さて、続きの話として「みんなは本当の鬼に会ったことがありますか?」と聞いていきます。去年の節分を覚えているお子さんは、自信満々に「会ったことある!」(園やお家、神社での記憶)と言い放ち、その存在を信じているお子さんもいます。
でも、年長さん位の年齢になると「先生(またはお父さん)が鬼になってた」と答えることが多いですね。
「実は、悪い鬼は、みんなの心の中にいるのですよ!」
そんな説明をしてから、自分の心の中にいる「悪い鬼」についての話し合いをします。
年中のクラスでは、「赤鬼」「青鬼」「角が一本の鬼」「優しい鬼」「良い鬼」等、自分の中にいる「悪い鬼」について、理解することが難しいです。というか、「そんな鬼は、僕の心の中にはいません!」と、存在を認めたくはないようです。
(笑)
これについては「本当にその通り、純粋無垢な君たちの心に、そんな邪悪な者が住んでいるわけはありませんよね。」と賛同したくなりますが、なんとか伝える努力をして、豆まきに持って行きます。
年長さんになると、ちゃんと内省ができるようになり、「乱暴鬼」「怒りんぼ鬼」「泣き虫鬼」「好き嫌い鬼」「寝坊すけ鬼」「やだやだ鬼」「ぐずぐず鬼」「片付けない鬼」等など、たくさんの鬼達が出てきます。
話し合っているうちに、様々な鬼がいることを知り「そうか、私がすぐに涙が出てしまうのは、泣き虫鬼がいるからなんだ」と納得したり、お友達の意見を聞いて「自分にも、その鬼がいるかも?」と、自分の直したい所(たぶん、いつも注意されていること)を見つけていきます。年長には年長なりの子どもらしい素直な所があり、そんなことを嬉しく感じながら、楽しく話合いが進みます。
さぁ今年は、どんな「心の鬼」を退治して、新しい年(春)を迎えましょうか?
もちろん大人の中にも、いいえ、大人の方がよりたくさんの「心の鬼」を抱えているはずなので、ご家族皆さんでやっつけたい鬼を出し合ってから、ドアや窓を思いっきり開け放して「豆まき」をして下さいね。☆寒い冬の行事であることが印象付けられます☆
【節分の行事】
・戸口に「柊イワシ(やいかがし)」を飾る
・豆まきをする(歳の数より1つ多く豆を食べる)
・恵方巻を食べる(2023年は南南東の方角を向いて食します)
等があります。
・神社の豆まき会に参加するのも良いですよ!