「図鑑の活用」

 先日、今年度の小学1年生から「入学式がありました!」とメール(お写真付き)を頂きました。6月になってやっと、入学式を迎えられた学校もあるのですね。今後、どのような形でお休みの期間を取り戻していくのか、学校側も思案されていることと思います。また、当然のことながら、ご家庭でのサポートが大いに必要になるでしょう。そのような中、卒業生のお母様方は皆さん「今年の年長さんは、不安でしょうね」と心配なさっていました。去年の今頃を振り返ると、自分のことのように思われ、気が気でないのでしょう。

 さて、では本日の話題「図鑑の活用」について、お話させて頂きます。

 皆さん、ご家庭に「図鑑」をお持ちですか? 私はよく「図鑑を買おうと思うのですが、たくさんあって迷っています。先生はどれがお勧めですか?」とご相談を受けることがあります。そんな時は「お子様と一緒に選びに行って、興味を持たれたものが良いと思います。」とお答えしています。なぜなら、写真が多い図鑑もありますし、絵で描かれている図鑑もあります。その絵にしても、リアルなものもあれば、写真と共に補助的なイラストのような感じもあり、出版社によってまちまちだからです。

 私は小さい時、生き物や植物の図鑑が大好きでした。でも、細部を顕微鏡で拡大した写真などは、見ただけで鳥肌が立ってしまい、そのページを飛ばしたり、あまりにも衝撃的だった時には、その図鑑は「以後開きません!」と封印することもありました。お子様によっては、写真や本物のような絵を怖いと感じたり、私のように不揃いな点々を見ると、気持ちが悪いと鳥肌が立つお子様もいると思うのです。そうなってしまうと、せっかくの興味が失せてしまいますね。今の時期に、自らが興味を持って開き、楽しめることが第一条件になります。

そして、私が図鑑をお勧めするのは、疑問が湧くからです。

 普通に考えると「どうして?」が先で、「じゃ図鑑で調べよう」だと思うのですが、私の考えは逆です。図鑑をペラペラとめくっていると、疑問が湧いてくるのです。例えば魚の図鑑を見ているとしましょう。「あれ?どうして、この魚は目が大きいのだろう」「どうして、いつも地面でじっとしているのかな」「どうして、トビウオは飛ぶのだろう」などなど。それは、図鑑を見たから芽生えた疑問です。だって、幼児の日常生活には全く関係のないお話ですし、知らなかったら疑問にも思わず、知らないままで終わるだけです。写真や絵を見ただけで「あれ?」と思うことが大事だと思いませんか?そして、その疑問の答えは、大体は写真の側、そう!図鑑に書いてあるのです。それを、お母様やお父様が読んで差し上げれば良いのです。

 子ども達に想像力の課題をさせる時、「何でもいいのよ、こんなことがあったら面白いなと思うことや、本当ではないことを考えていいのよ」と、ついつい促してしまいますが、そもそもまだ生まれてから数年しか生きていない子ども達に、「本当のことか、そうでないか」を判断させるには、ストックが足りませんよね。図鑑では、そのような知識を増やすことができます。

 また、知ることによって想像力が湧くこともあります。特に、まだ未知のことが多い「宇宙」や「恐竜」等の図鑑ならば、「もし本当だったら、どんなだろう」と想像することができますし、「行ってみたい」という希望が湧くこともあります。たぶん、子ども達の方が想像力は豊かです。将来の職業に繋がるかもしれませんよ。

 願書を書くにあたり、お子様の好きなことや夢中になっていることなど、そろそろメモをして準備なさる時期と思います。私も、8月頃に願書の添削を依頼された時に「今お子様が夢中になっていることなど、エピソードを交えて書くといいですよ」と助言するのですが、その時期にも関わらず「何も思い当たりません」と答えるお母様が少なくありません。 そのようなことにならない為にも、種を蒔いておくことは必要ですよね。

 たくさんある図鑑の中から、何に興味を持ち、どんな疑問を持ち、どのように解決したか。その中で、実際に本物を見に行ったり、調べられる場所に連れて行ったりするのは、お父様とお母様のお役目です。お子様の「なぜ?」「どうして?」に寄り添って下さい。大人になっても、知らない発見が結構ありますよ!

親子で図鑑を見て、一緒に驚いたり、次の行動につなげることができたら、楽しいですね!是非!!

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