現年長さんは、そろそろ「願書」の下書きをしていますか?まだ、取り掛かっていない方は、準備しましょうね。ということで、今回は「願書」について書きます。
私は職業柄「願書の添削をお願いします!」と頼まれることが多々あります。ですが、このブログを読んで下さっている方は、もうお気付きと思いますが、私自身、文章を書くのが得意ではありません。なので「添削」というよりも、その願書を読んで、ご両親の想いや、お子様の様子がわかるかどうかを基準に、アドバイスをさせて頂いてきました。今回は、私が考える願書の在り方(完全に私目線です)を述べていきますで、参考になりそうなところがあったら拾って下さい。
ひと言でいってしまえば、「良い願書」とは一読で理解できる「願書」です。
一回だけ読んで「んっ?」と思った場合は、「一番伝えたいのは何だろう?」と読み返し、それでもわからなければ更に読み返し、何を言いたいのかを探さなければなりません。「添削」を頼まれている私だからこそ、理解できるまで読みますが、学校の先生が何百通も来る願書の1つずつを、そんなに読むとは考えられませんよね。
では、どうして何を伝えたいかわからなくなってしまうのでしょうか?考えられる原因は、大体3つです。
1つ目は、全く心に引っ掛かるものがない願書です。これについての原因は、ほぼハッキリしています。いきなり「願書」を目の前にし、何をどう書いて良いかわからず、ついつい「願書の書き方」の本に頼ってしまったものです。でも、私でさえ「読んだことのあるきれいにまとまった文章だな・・・さては」と思う文章です。それが、小学校の先生だったら、何百回、何千回、校長先生に至っては何万回と見たことのある文章であろうと思います。そもそも、本に書かれた通りのご家庭やお子様など存在するわけがないので、できれば読まないことをお勧めします。
2つ目は、盛り込み過ぎの願書です。例えば、ご家庭の教育方針を考えた時、あれもこれも伝えたいと思い、細かくたくさん書いてしまっている文章です。自分自身のことではなく、お子様の為と思うと、力が入り過ぎて冷静さを失います。そのようなことを防ぐには、ご両親で相談し、子育てをしながら気を付けていることを書き出してみることをお勧めします。書き出した物を順番に見ていくと共通点や全てに繋がる方針が、ハッキリしますので、「ガツン」と一言で表現できる言葉が見つかると思います。また、受験する学校の方針に擦り合わせて、どの教育方針にフォーカスするかを決めるのも良いでしょう。ご家庭の教育方針が決まれば、お子様のエピソードもどれをピックアップしたら良いかが、はっきりと見えてきます。
3つ目は、とっ散らかってしまった願書です。志望理由が弱い、また学校について良く理解していない時に、出来上がってしまう文章です。例えば、志望理由が「家から近くて通いやすい」「給食があるので助かる」であったり、学校についても「施設が素晴らしい」「父の会が充実している」など、どうでも良いことが書いてあります。「そんなこと書く人いないでしょ!」とお思いになるでしょうが、実際にあるのですよ。どう書こうかと悩んでいるうちに、何だかわからなくなって、学校のパンフレットから印象に残ったことを拾ってしまうのだと考えられます。また、夫婦間での話し合いが決裂している場合、前半と後半の内容に違和感がある願書が出来上がっていることもあります。
お子様が頑張っている分(頑張らせている分)、親ができることは「願書」と「面接」しかない!と気合を入れ、絶対に足を引っ張ってはいけないと思われるご両親のお気持ちは、とてもよくわかります。でも、そうであれば、きれいにまとまった願書、学校を褒めたたえるような願書を書くのは止めた方が良いですね。一読でご家庭の教育方針がわかり、お子様を愛情を持って大切に育てていることがわかるオリジナルの文章を書くべきです。また、お子様についても、志望校に当て嵌まる完璧な子であることを書くのではなく、まだまだ伸び代がある素直な子ですよ!と書くことをお勧めします。