そろそろ、「志望校」について悩む時期に入っているのでは?と思われますが、いかがですか?本日は「これが志望校の決め方です!」などと、決定的なことは言えませんが、ヒントにして頂けたらと思いまして、私の考えを述べさせて頂きます。
個人面談で、「先生、ズバリうちの子に合う学校はどこでしょうか?」と聞かれることがよくあります。そして、他の塾では、そのような質問に答えて下さる先生がたくさんいらっしゃるようです。しかしながら、私は「お答え出来かねます」と、ズバリ学校名を言うことはありません。なぜなら、私が見ているのは、お子様のほんの一面だけだからです。それも1週間や2週間に1度ですし、私が知らない部分がたくさんあるはずなので、安易にお答えすることができないのです。基本は、ご両親が決めるべきです。
ただ、ご家庭の様子と、幼稚園や保育園での様子、またお稽古事や他の幼児教室での様子、おじい様やおばあ様との様子、兄弟がいればその関係など、様々な情報を頂ければ、過去(卒業生)の私が知っている卒業生と、照らし合わせてお話することは可能です。「そちらの学校でしたら、こういうタイプのお子様が通われていますよ」という感じです。
学校を選ぶ時のポイントを1つ言うとすれば、今現在のお子様(5・6歳児)に合う学校(要するに、試験で点数を取れそうな学校)を選ぶのではなく、「将来、どのような人に成長して欲しいか」で選ぶべきです。それと同時に、そのような気持ちでご両親が選んだ学校に、みごと合格して入学したとしても、お子様が成長する過程で「なんか違う」と思った時には、途中で学校をかえる選択がある!ということを、忘れないで下さい。
今年に関して言えば、学校説明会もリモートになったり、学校によっては中止の所もありますので、学校の情報を得ることが難しい状況であると思われます。それでも、HPやパンフレットを熟読して、何かを感じ取れることはあるはずです。
私が一番お勧めなのは、学校の登下校の様子を観に行くことです。登校時は、生徒たちが緊張していますので、学校の雰囲気がわかりますし、下校時は、その学校に通う生徒たちの地の姿が観られますので、我が子とイメージを重ねやすいと思います。1回だけで決めつけず、何度も通えば、それだけ理解が深まると思いますので、足繁く通ってみることをお勧めします。そして、登下校時の生徒さんにお子様を重ね合わせ、強くイメージすれば、合格に近づいて行くこともあります。
さて、先ほど、お子様の「今」で決めずに、ご両親が決めて下さいと申し上げましたが、本来の性格と全く違う選択は無理だと思います。そこは、お子様を間近で観ているご両親こそが、よくご存じだと思いますので、ご夫婦で、とことん話し合ってみて下さいね。
ここまでは、志望校について、まだ決めかねている方に向けて書きましたが、既に「この学校」と一筋に考えている方も大勢いらっしゃると存じます。実際、「うちは○○小学校しか受けません。ここにご縁が無ければ、近くの小学校に行きます」と断言している方は、合格率が良いです。願書や面接にブレが無いので、ご両親の想いが学校に伝わるのだと思います。ですから、そのように決めている場合は、「では、それで突き進みましょう!」と応援します。
ただし、それが国立小学校の場合は、「私立も受けてみたらいかがですか?」と勧めるようにしています。なぜなら、抽選がある為、1校も受けられなかったということが少なくないからです。皆さん、受験をする前までは、「受けられなかったら、それでいいです」とおっしゃるので、私も強くお勧めすることはなかったのですが、実際に全ての抽選に外れてしまった時「やっぱり、どこか受けておけば良かった。例え通わないとしても、今まで頑張って来た子どもに「合格」という文字を見せたかった」と後悔される方が、過去にたくさんいらっしゃいました。
そのモヤモヤした感情は、全て終わってからでないとわからないことなのですよね。ほんの少し想像力を働かせて、受験後のことを考えておくことは、私立受験に於いても同じです。
小学校受験は、大人が決めたことである以上、そのことでお子様を傷つけることだけはしないように、志望校選びをして下さいね。